これから最盛期を迎える白い花のうち、道端や空き地でもよく目にするのがドクダミ。今日はそのドクダミの香りについてご紹介します。え?ドクダミ?雑草?臭いし嫌い!と言われそうですが、そこはちょっとお待ちください。
漢方として使用されていることは皆様ご存じかと思いますが、調べてビックリ、実に面白い魅力あふれる植物ですよ。
実は白い花じゃないドクダミ
まず「白い花」と前述しましたが、実は白い部分は花ではなく苞(ほう)と呼ばれるものです(花を保護する葉っぱのようなもの)。中心の黄色い部分が本当の花にあたります。そしてこの花が咲いている時期のドクダミが、最も薬理効果が高いとされています。
独特のにおいの正体は
デカノイルアセトアルデヒド
ドクダミには独特のにおいがありますが、その正体は「デカノイルアセトアルデヒド」という成分です。この物質には非常に強い抗菌作用があり、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌や水虫の原因となる白癬菌を殺菌する作用があると言われています。
ただしこの成分は乾燥すると効果がなくなってしまうため、殺菌効果を期待して使用する場合は、生の葉を使うとよいでしょう。
ラウリルアルデヒド(ドデカナール)
また同じくにおいの正体と言われている「ラウリルアルデヒド(ドデカナール)」は、パクチー(コリアンダー)やキュウリにも含まれる成分で、希釈するとバイオレット(スミレ)の香りになるそうです。
ドクダミの効能
殺菌効果以外でも利尿作用や動脈硬化予防、美肌効果など様々な効果が期待でき、開花時期の地上部分を乾燥させたものが生薬として用いられています。乾燥させると、あの独特のにおいはほとんど無くなります。
ベトナムではハーブとしてよく料理に使用されるそうですが、ベトナムで使用されているドクダミは日本のドクダミよりも香りが弱いそうですよ。
ドクダミの花言葉
花言葉は「野生」と「白い追憶」。
開花時期に特に強く放つ、あの独特のにおいを嗅ぐことで色々な思い出が蘇ることから「白い追憶」という花言葉になった、という説があるそうです。
(大嶋)