ジャスミンの香りの正体は

ハゴロモジャスミンの花 植物の香り

桜の季節が終わる頃から、街中で見頃を迎えるのがジャスミンの花。道を歩いていると、フワーっと甘い香りが漂ってきます。

ジャスミンの精油は、とても高価なものとして有名です。他の花と比べ精油の採取が難しく、1kgの精油を採取するのに700kgの花が必要なためです。あんなに強い香りを放っているのに、精油が少ししか採れないのは意外ですね。

ジャスミンの香り成分には、クチナシや梅の香りにも含まれている「酢酸ベンジル」という甘い香りの成分があります。その他に、安息香酸ベンジル、リナロール、ジャスモン酸メチル、cis-ジャスモン、インドール、スカトールなど。

精神を高揚させる効果が期待できる「酢酸ベンジル」と心を穏やかにする「安息香酸ベンジル」が含まれるため、心のバランスを取る精油とも言われています。

壁面に広がるハゴロモジャスミン

ジャスミンの香りはとても人気があるせいか、近年よく目にします。あの独特な香りをかもし出す成分の一つが「ジャスモン酸メチル」。工業的生産方法が確立されているため、天然の『ジャスミンの香り』に近い香りが作れるようになりました。

「cis-ジャスモン」という成分は桑の葉から微量に放出されており、この成分に誘われて、蚕が桑の葉を食べにくるそうです。人間にも催淫効果があると言われているジャスミンの香りですが、蚕にも効果があるのですね。

「インドール」や「スカトール」は、濃い濃度で嗅いでしまうといわゆる『大便のニオイ』になります。(香りマニアの方の中では有名な話です。)薄いと良い香りなのに、濃いと大便・・・香りの世界は奥深いです。

(大嶋)

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